「時計じかけのオレンジ」を見ました。
不朽の名作&衝撃作。
「暴力を助長する」って弁も分からないでも無いですし、ショッキングなシーンも多いなぁとも思います。
ですがやっぱり目を離すことの出来ない強烈な存在感がこの作品にはあるなぁと。選択の余地がないということは、人間らしい生活をおくることが出来ないということ。
それはロボットと何ら変わらないということ。
人には選ぶ権利があり、それは誰からも侵されるべきものではないということ。
でもそれって、悪人にも適用されるのだろうか。
選択の権利があって人間らしい生活を送れる悪人と、その歯牙にかかった罪なき人。
遺族は言わずもがな、普通に暮らしてる人々もお偉方のその温情によって怯える日々を過ごさなきゃいけないかもしれない。
実際アレックスは暴力に対する恐怖なんかすっかり忘れちゃってるっぽいラストだし。
まぁ、もう考えても仕方がない命題であるし、なんというかあの映画は三つ子の魂百までみたいな感じが伝わってくる内容でした。
自分としては受け取ったメッセージはそんな感じ。
あと、クラシック音楽と暴力シーンの兼ね合いが凄かった。クラシックにご執心な人達から見ると冒涜してると騒がれそうなほどに。
作家の家に忍び込んで「雨に唄えば」を口ずさみながらボコるシーン、あれ主演のマクダウェルのアドリブだそうですね。
ルパン3世のひょうきんなキャラクターが声優である山田康雄さんから生まれたように、あの作品のクラシック&バイオレンスはひょっとしたらマクダウェルのあのシーンがあまりに強烈だったから生まれたものなんでしょうか。実際にエンディングも「雨に唄えば」でしたし。
まぁ総合的に言うとまさしく「問題作」だなと。
子供の頃に見てたら自分は若干の心の傷を負っていたかもしれません。自分の子供にはせめて18歳くらいになるまでは絶対に見せたくない。
子供いない私にすらそんなこと思わせるような作品でした。
もちろん、強烈に心に刻まれる名画であることも確かだとは思いますが。