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05 | 2017/06 | 07

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グロテスク/桐野 夏生。 



桐野夏生氏の小説「グロテスク」を読み終えました。

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名門Q女子高に渦巻く女子高生たちの悪意と欺瞞。「ここは嫌らしいほどの階級社会なのよ」。悪魔的な美貌を持つニンフォマニアのユリコ、競争心をむき出しにし、孤立する途中入学組の和恵。ユリコの姉である“わたし”は二人を激しく憎み、陥れようとする。圧倒的な筆致で現代女性の生を描ききった、桐野文学の金字塔。



「東電OL殺人事件」という実際の出来事に着想を得て作られた今作。
上下巻にページいっぱいに文字が書き連ねられており、ボリュームはかなりのものなんですが、あっと言う間に読み終えてしまいました。

でもこの作品の何が面白かったのかと問われると答えに詰まる。
この作品と出会ったことで何を得られたのかと言われると言葉を返せない。
この本の中身はただただ醜悪で壮絶な、孤独に世界と戦い続ける人たちの思いを吐露しているだけ。
決して面白いわけじゃない、むしろ目を背けたくなるような、登場人物たちの赤裸々を超えたグロテスクな心情が書き連ねられているだけ……。
それでも作者の圧倒的な、神がかり的な筆致を持って展開される狂気に満ちた展開と文章が、読み進める手を緩めさせてくれませんでした。

自分はこの作品を読んで得たものは無かったです。読後に残る余韻とか、教訓になるような言葉とかそういうのは何も。
それでもこの作品に出会えたのは凄く良い事だったと思う。読んでるうちは我を忘れてこの作品の世界に浸れていたから。
現実を忘れるほどに引き込まれる魅力的な(この場合悪魔的な)世界、この「グロテスク」はそんな時間を読む人全てに与えてくれるような気がする。

ユリコの姉に散々ユリコのことをこき下ろされてから読むことになるユリコの手記は非常に面白かった。
あの手記を読めば誰もがユリコが作中で一番クレバーで完璧な存在であることに気づけると思う。
怪物的美貌と幼くして完成された自己、そんな人物の近くにいる人もまた、怪物になるのは必然なのかもしれないですねえ。。。

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